V125G フロントブレーキキャリパーオーバーホール

ブレーキです。
そう、フロントブレーキのメンテナンスをしないと、いけないのです。
フロントフォークを交換したのも、これの前哨戦でしかないのです。
フロントフォークから漏れたフォークオイルがキャリパーブラケットのピンのグリスを溶かしたかのようにゴム部品の周りがギトギトになっていて、更にゴム自体もガムのように引っ張ると伸びてちぎれるような状態でした。


YBRのときもフロントブレーキのキャリパーは外してメンテナンスはしましたが、汚れを落としたくらいで部品の交換はしませんでした。
なので、今回は初めてフルオーバーホールとなります。
ブレーキなので、失敗したら命取りになりかねないので、慎重に進めようと知識の収集とイメージトレーニングに時間がかかって2ヶ月弱の準備時間がありました。
車両は7月の中旬には手元にありましたが、キャリパーを車体から外す気になったのは9月の頭くらいでした。

さて、Youtubeの動画をV125に限らず型押しの1ポッドキャリパーのメンテナンス動画やブログを読み漁った結果、作業はとてもスムーズに進みました。
皆さんもYoutubeにある動画を見て作業していただければと思うのですが、このページでも、一応 取り外しの手順を書いておこうと思います。
あまり写真が無くて申し訳ないのですが、順を追って書きます。
ホイールのディスクの付いていない側から、パッドピンを緩める作業が1個目です。
写真は取り外し後のものですが、車両に付いた状態では、4ミリのヘキサソケットで少し緩めた状態にします。


次に、ブレーキホースの連結部のバンジョーボルトを外します。キャリパーをフロントフォークから分離してからだと力が入りづらいです。
※ 正しい方法は知らないですが、このとき、バンジョーボルトにはワッシャー ブレーキホース ワッシャー という順で3つ輪っかが付いていますが、ワッシャーの向きは同じで再取り付けしたほうが良さそうなので、外すときに向きを覚えておいたほうが良いです。


ブレーキホースが外れたら、ブレーキフルードが流れ出て着ますので少し長めのペットボトルで受け止めます。
ペットボトルとブレーキホースをマスキングテープでつないでおくと、しばらくキャリパーを車体から外していても安心です。
(すぐにやらなくてもいいのですが、ブレーキレバー側のマスターシリンダの蓋もプラスネジ2つ外してレバーを何回か握れば、ブレーキフルードが排出されます。)
ブレーキホースを外せたら、あとはキャリパーを車体から外してしまうだけです。
2つボルトを外せば車体から外れます。


これは、パッドピンの抜け防止のための抜け止めピンを外したところです。ペンチで引っ張れば取れます。
抜きづらい場合は、パッドピンを回して抜きやすい位置へ持ってくると良いです。


抜け止めが外れたら、パッドピンを外します。
パッドピンが外れたらパッドが外せます。


内側もひどい状態ですね。
フロントフォークオイルでギトギトになったところにブレーキダストと、タイヤが巻き上げた砂が絡んでぐちゃぐちゃです。


外したブレーキパッドです。キタコ製っぽいですが製品の型番はわかりませんでした。




キャリパーブラケットを引き抜いて、パッドの位置を合わせるスプリングのような金属パーツも外します。
実は、このキャリパーブラケットの引き抜きにかなり苦労したのですが、 長くなってしまうので、次回の記事に記載します。

バラバラにしたら清掃します。


分解時に得た教訓として、エアツールのエア圧は必要な分だけということです。
キャリパーのブレーキピストンを外すときに、ピストンホルダーなど持っていませんので、エアツールで抜きました。
エアブロー用のアタッチメントはありますが、先端部分にゴムで密着させることができるものではなかったため、工夫が必要でした。
バンジョーボルトが付いていた穴に押し当てて、オイルの代わりにエアで圧をかけてピストンを押し出すのですが、写真のようにビニールテープを巻いて押し当てると密封できるのです。
ピストンが抜ける側は、ウェスや布を当てておき、ピストンが抜けたときに、キャリパーに接触してお互いが傷つかないようにしておきましょう。
また、エア圧で抜いたピストンに指を挟むと怪我をするので、人体が巻き込まれないように注意して作業してください。
私はちゃんと準備してできたのですが、エアツールのレバーの精度がそんなによくて、調整が難しく、レバーをちょっと握っても吐出量が少なかったので、少し多めに握ったら一気に吐出量が増えてしまい、バコンという爆発音とともにピストンが外れました。
幸い部品に破損はありませんでしたが、かなり強烈な爆発音だったので近隣の方に迷惑だったと思います。
実施前は何も考えていなかったのですが、エアコンプレッサーのタンク内圧力を、自動で止まる600kPaまで上げてしまっていて、200kPaもあれば十分だったのでは?と後から反省しました。
ブロー用のエアガンの先端は、マスキング貼ってからビニテ巻きましたが、直接ビニテでも大丈夫です。




ビニテとかじゃなくて、ちゃんとしたゴムパーツの付いたエアブローガンは、まーさんガレージさんのYoutubeのブレーキキャリパーOHの動画を見てもらえると出ていると思います。
しかし、同じようなものを手に入れようとネット通販サイトを漁ったのですが、見つかりませんでした。なので、結果的にビニテになりました。

外したピストン


ピストンが外れた段階で、全ての外れる部品は外しました。
ここまででわかったことは、言わずもがな状態が悪いということですね。
ゴムパーツの交換は元々わかってはいたのですが、ピストンも腐食が激しくて凸凹していたので、交換することにしました。
磨けばなんとかなるのかもしれませんが、ブレーキ部品で初めてのOHなので、安全を考えて純正新品を注文しました。
実は少し早めに判断して注文はしていたのですが、お盆休みが重なって、メーカーとショップのダブルパンチで結構時間かかりました。
今回使う新品部品たちです。




スズキの車両ですが、前に乗ってたYBRによるヤマハ信仰によりヤマルーブのブレーキフルードをチョイスしました。
しかも、ミニマルに100mlです。買った後に足りるか不安になったのですが、十分足りました。

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そして、オイルシールなのですが、上下があるらしく、厚みが厚い方を奥につけろと書いてあるのですが、全くわかりません。
しょうがないので、強めの光を当てながら、平面に置いたオイルシールを垂直な棒(ノギス)で押したときに隙間が残っているように見える方を薄いと判断して上(手前)にしました。


オイルシールとダストシールは、新しいブレーキフルードで洗浄して、それを拭き取らずにオイルが付いたまま組み付けます。
これは気泡防止や組み付け時に傷がつくことを防止する役割があるようです。
他の車輌ではシリコングリスを塗布したりするケースもあるようです。
この次のピストンのはめ込みでちょっとしたミスをしました。
ピストンもシール類と同じくブレーキフルードで洗浄してからはめるでサービスマニュアル上は合っているのですが、なるべく腐食を防止したいので、シール付近の外に露出する部分には、グリスも薄く塗布しておきたかったのです。
しかし、グリスを塗る前に奥までハマってしまい、ピストンホルダーを持っていない私は、またエア圧をかけなければいけません。


外すときに爆発させたのと、すでにビニテを剥がしてしまったことから、グリスはいいかな・・・と諦めそうになりましたが、しばらく外さない部品だということもあり、やる気になりました。
そして、新しく創造した武器がこちらです。
PCやOA機器などのホコリを吹き飛ばすための缶エアダスターです。
できるかわからなかったのですが、新品のこいつの圧力で十分外せました。
むしろエアコンプレッサーのような強い圧力がかからない安心感すらありました。


もちろんビニテで調整済みです。


エアコンプレッサー買ってから使いみちがなく、捨てようか迷っていたこのエアダスターにこんな日の目を見るときがくるとは思っていませんでした。



てなわけで、無事にピストンにグリスを塗布し、キャリパーブラケットのピンにもグリスを塗り、ゴムパーツを装着して、パッドにパットピンも付いて組み立てが完了しました。
(実はパッドピンの抜け止めの装着に苦労したのですが、それも次次回の記事に書きます・・・。)
あとは車体に取り付けて新しいブレーキフルードを入れながらエア抜きをすれば完了です。
今回はエア抜きについては省略します!!(ほんとは注射器みたいな工具?を投入して今までとはちょっと違うブレーキフルード充填をしたのですが、気が向いたら書きます。)
おわり。
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以上。
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